JR南武線(浜川崎支線) 八丁畷駅を訪ねる~京急線と旧東海道が交差する駅~

八丁畷駅に停車する南武支線205系

JR南武支線 八丁畷駅

八丁畷駅は川崎市川崎区にある京急本線と南武線浜川崎支線の乗換え駅です。

JR川崎駅や京急川崎駅のある川崎市街地から600mほど離れた場所に駅があり、市街地の外れに位置しています。南武支線はすべての区間で川崎市内を走行しますが、川崎駅には乗り入れないためローカル線の雰囲気が漂っています。

京急線の相対式ホーム (2015)

駅は京急電鉄と共同使用しており、京急電鉄に管理を委託しています。

京急本線のホームは地上の相対式2面2線構造で、それぞれのホームに改札口があります。メインとなる1番線側(横浜方面)のホームにある東口改札口はJRの券売機も設置されています。

八丁畷駅に停車する普通列車 (2015)

南武支線のホームは、京急本線と十字に交差する高架上にあります。

ホームに行くには、京急線のホームから階段を登ります。単式1面1線のコンパクトなホームにはICの簡易読み取り機が設置されいますが、乗換え専用の改札機はありません。そのため、京急利用者のは南武支線のホームを跨線橋として利用することもできます。

八丁畷~川崎新町駅間で貨物線が並走 (2015)

南武支線は2両編成の列車が日中40分間隔で運行するローカル線。

尻手~川崎新町駅の手前までの区間は単線のため、八丁畷駅では列車交換ができません。残りの区間は複線構造のため利用者の見込まれる朝夕の通勤時間帯は増発して10~20分と高頻度で運転しています。

貨物線が尻手寄りで合流してくる (2015)

ホームは1つしかありませんが、敷かれている線路は3本。

ホームのない2本の路線は東海道線の支線で、東海道本線と南武支線を結ぶ貨物専用路線です。鶴見駅付近で東海道線から分岐した貨物線は、八丁畷駅の手前で90度近くカーブして南武支線に並走。隣の川崎新町駅付近で合流しています。

南武支線は旅客列車よりも貨物列車の運行の方が多い路線。ホームに佇んでいると、長大な貨物列車がゆっくりと通過していきます。向かう先は京浜工業地帯でしょうか。貨物列車好きにはよく知られた名所らしく、ホームには撮影をしてる方が何人かいらっしゃいました。

南武支線ホームを繋ぐ階段 (2015)
八丁畷駅ホームの駅名標 (2015)
八丁畷駅を通過する貨物列車 (2015)

八丁畷駅の周辺と観光

八丁畷駅の西口 (2015)

八丁畷駅は川崎市街地からも近く、雑居ビルや住宅が多いエリアです。

日本橋と京都を結んだ五街道のひとつである旧東海道の街道筋にあたるため、江戸時代は多くの人がこの場所を往来したと考えられています。

駅のすぐ北側に京急本線と旧東海道が交差する踏切があり、人身事故が多い踏切として沿線ではかなり有名です。

八丁畷の芭蕉句碑
線路沿いにある芭蕉の句碑 (2015)

旧東海道はすでにアスファルトで舗装された普通の道路ですが、街道沿いには芭蕉句碑無縁塚など往時を偲ぶ史跡が点在しています。しっかりと説明版も設置されているので親切。

ちなみに、八丁畷駅西口からすぐの場所にある無縁塚はその名の通り、無縁仏を弔った塚。このあたりでは江戸時代以降、多くの人骨が出土したそう。川崎宿のはずれにあるこの地に、災害や疫病で亡くなった無縁仏を埋葬していたのではないかと言われています。

東海道五十三次を楽しむための参考図書

現代の東海道五十三次を歩いて楽しむなら、山と渓谷社『ちゃんと歩ける 東海道五十三次』がおススメ。街道沿いの史跡や石碑の説明から地名の由来まで、かなり詳細に紹介している本です。持ち歩きしやすいサイズ感も◎

八丁畷駅の画像

 

八丁畷駅の情報

路線 :JR東日本 南武線浜川崎支線
住所 :神奈川県川崎市川崎区池田1-6-1
開業日:1930年4月10日 (京急線は1915年12月25日)
訪問日:2015年12月