秩父鉄道 和銅黒谷駅を訪ねる~和銅遺跡の最寄駅~

和銅黒谷駅ホームにある和同開珎発祥の地の碑

秩父鉄道 和銅黒谷駅

秩父鉄道5000系と武甲山

和銅黒谷駅は秩父鉄道の駅です。

秩父鉄道が宝登山(現:長瀞)~秩父駅間を延伸開業した1914年10月に黒谷駅として開業しました。日本最古の通貨とされる和同開珎発行に関連する和銅遺跡の最寄り駅であることにちなみ、2008年に現在の駅名に改称されました。

和銅黒谷駅ホーム
和銅黒谷駅を発車した羽生行き普通列車 (2014)

ホームは島式の1面2線で、北端にある構内踏切で駅舎と結ばれています。国道140号側には立派な木造駅舎があり、時間帯により駅員が勤務していましたが、2022年春からは無人駅となります。

停車するのは普通列車のみで、急行とSLは通過。秩父鉄道は貨物列車も走行するため、駅西側に通過用の側線も1本ありました。ちなみに1番線(秩父方面)はホームのカーブがきついため、停車中の車両扉は中央2ヶ所のみ開くようになっています。

和銅黒谷駅ホームにある日本通貨発祥の地の碑
ホームにある和同開珎発祥の地の碑 (2014)

和銅黒谷のホームには「日本通貨発祥の地」として、この地に出土した和同開珎を模した巨大なモニュメントが設置されています。和銅遺跡やその関連史跡は当駅から徒歩圏内です。

秩父鉄道と並走する国道140号線沿いには西武バスの和銅黒谷駅バス停があり、西武秩父駅行きの路線バスが発着しています。2022年現在で1日6本の運行ですので、本数はあまり多くありません。

和銅黒谷駅の周辺と観光名所

和銅遺跡は駅から徒歩圏内 (2014)

和銅黒谷駅は和銅遺跡の最寄駅として知られています。

和銅遺跡とは古代に和銅(天然銅)が発見された場所。

当時としても大きな出来事で、銅が朝廷に献上された708年には元号を「和銅」に改元しています。さらに、このことが契機となって日本初の通貨である和同開珎が発行されています。和銅は引き続きこの地で採掘されたとみられ、現在では天然掘り跡などを含め埼玉県指定旧跡として保存・整備されています。

和銅遺跡は和銅黒谷駅から歩いて20分程度の山の中にあります。少し傾斜のキツい道を歩くことになりますが、駅から歩いて行ける距離なので気軽に訪れることが可能です。

聖神社の社殿と和同開珎のモニュメント (2014)

また、和銅遺跡と関連した名所として聖神社があります。

和銅発見時により朝廷が当地に金山彦尊(カナヤマヒコ)を祀ったことに由来する歴史のある神社です。ご神体は天然銅で、和同開珎にちなみ「銭神様」として親しまれています。近年は金運の御利益があると人気の神社です。

私の訪れた2014年の秩父地方は記録的な大雪があり、足場も悪く和銅遺跡の訪問は断念しました。聖神社までの道はほとんど平坦で駅からも訪れやすいです。

和銅黒谷駅の情報

路線 :秩父鉄道
住所 :埼玉県秩父市黒谷
開業日:1914年10月27日
訪問日:2014年2月25日