JR旧北陸本線 筒石駅~頸城トンネル内にある地底駅/訪問記&画像

筒石駅ホーム

今回は旧北陸本線の筒石駅です。
全国でも珍しい山岳トンネル内にホームのある筒石駅を画像とともに紹介します。

旧北陸本線 筒石駅

筒石駅はえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの無人駅です。

山岳トンネル内に設けられているモグラ駅で、ホームは頸城トンネル(11.35㎞)内の地下40mに位置しています。ホームから地上にある駅舎までは階段で繋がっており、エレベーターやエスカレーターは設置されていません。上越線の土合駅ほくほく線美佐島駅とともに鉄道好きのあいだで言わずと知れた名所となっています。

2015年春の北陸新幹線金沢延伸まではJR西日本の北陸本線に所属していました。現在、筒石駅を発着する列車は上下線とも毎時1本程度で、停車するのは普通列車のみ。近隣の過疎化が進行し、1日の平均乗客数は20人を下回っている秘境駅です。

筒石駅ホーム

頸城トンネルの直線区間に相対式2面2線のホームがあります。トンネルの断面積を少なくするため、上下線ホームは少しずらして設けられ、上りホームは直江津寄りに、下りホームが糸魚川寄りに互い違いに造られています。

トンネルと一体化したホームの幅は狭いですが、4両編成が悠々と停車できる長さがあります。晩年の北陸本線の普通列車は3両編成で運転されていましたが、えちごトキめき鉄道に移管してからは1両が基本。ホームはトンネルの質感を残した無機質な雰囲気です。

筒石駅地下通路

ホームから駅舎までの標高差は40m。
下りホームからは290段、上りホームから280段の階段を登る必要があります。相対式ホームなので、駅舎から遠い上りホームの方が通路が長く、地上までの距離は212m。下りホームは少し短く176mの距離があります。

どちらのホームも進行方向前寄りに扉付きの出入口があり、その先はベンチが設けられた待合室として使われています。出入口にしっかりとした扉があるのは列車進入時の風圧対策で、北陸本線時代は特急列車が定期的に通過していた頃の名残です。

同じく特急が通過していたほくほく線美佐島駅では、列車到着時以外ホームが締切られていました。一方、筒石駅は出入りが自由にできたため、ホームで通過列車を見学することもできました。現在ではどちらの駅でも特急列車の通過はなくなり、いつの間にか昔語りになってしまいました。

筒石駅連絡階段

地上まで繋がる階段はトンネル工事用の斜坑を有効活用したものです。一直線に伸びる階段は土合駅の階段を彷彿とさせます。通路の左側は階段が設置されていないのも土合駅と一緒です。

駅舎は以前有人駅でしたので窓口の跡も残っています。無人化後も待合室として利用されており、トイレも併設。筒石駅は筒石川沿いの山間部にぽつんと駅舎と駐車場があるのみで、かなりの秘境感が漂います。海岸沿いにある筒石集落までは駅から800mほどの距離があります。

筒石駅の歴史と変遷

筒石駅前

筒石駅は1912年に開業しました。

信越線の直江津駅から富山方面に向けて順に延伸していた国鉄は、1912年12月16日に名立~糸魚川駅間を延伸開業します。当時の北陸本線は非電化の単線で、日本海沿岸部に路線が敷かれていました。そのため、当初の筒石駅は沿岸部の筒石集落付近に設置されました。

戦後、北陸本線は災害対策と複線化を目的に、浦本~直江津駅間に山岳トンネル中心の新線建設を決定。1969年9月に新線経由に切り替わり、筒石駅は現在の場所へと移転。

新線は内陸部を全長11㎞を超える頸城トンネルで通過することになり、筒石駅は廃止も検討されていました。しかし、地元の反対運動もあって最終的にはトンネル内に駅を設置することで決着します。集落から800mほど離れた山間部に駅があるのはこうした背景があります。

その後、1987年にJR西日本へ移管、2015年に北陸新幹線延伸による並行在来線の経営分離によりえちごトキめき鉄道へ移管し現在に至ります。なお、駅の平均利用者数は年々減少傾向にありましたが、地下駅という特殊な構造もあって、2019年までは駅員のいる有人駅でした。

全国の山岳トンネル駅

土合駅画像
JR上越線 土合駅(2009)

筒石駅のほかにも、全国には山岳駅に設けられた駅が複数あります。

特に有名な場所はJR上越線土合駅。新清水トンネル内にある下りホームは地上まで462段の階段があり、日本一のモグラ駅として知られています。ほくほく線美佐島駅も赤倉トンネル内にあり、通過列車が高速で通過するためホームが常時閉鎖されることで有名です。

そのほか、JR上越線の湯檜曽駅、野岩鉄道の湯西川温泉駅も山岳トンネル内にある駅です。これらの駅はそこまで地中深くないため、ホームからトンネルの出口が見えるようになっています。

筒石駅のスタンプ

筒石駅スタンプ
筒石駅スタンプ(2009)

筒石駅のスタンプは駅舎に設置されていました。

JR西日本時代のスタンプで、「地下トンネルの駅」として筒石駅の駅舎と階段がデザインされています。駅スタンプは基本的に近隣の景色や名所が採用される場合が多いですが、駅自体が描かれた珍しいものです。

筒石駅の画像

筒石駅駅舎
プレハブ駅舎には待合室もある
筒石駅ホーム
筒石駅ホーム
ホームはしっとりとした雰囲気
筒石駅ホーム
北陸本線時代の普通列車
筒石駅待合室
ホームと扉で仕切られている待合室
筒石駅地下通路
待合室の先に地上までの連絡通路が伸びている
筒石駅地下通路
両ホームを繋ぐ細長い地下通路が続く
筒石駅連絡階段
出口までの階段は傾斜角が緩やかなため登りやすい
筒石駅地下通路
出口付近からホーム方面を見る

筒石駅の情報

路線 :えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン
住所 :新潟県糸魚川市大字仙納字大谷
開業日:1912年12月16日(1969年9月29日現地に移転)
訪問日:2009年8月6日

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。