古都鎌倉の中心地/鎌倉 鶴岡八幡宮 その2

鎌倉駅からもほど近い鶴岡八幡宮。
古都鎌倉の中心部に位置し、源氏の氏神として多くの信仰を集めてきました。

日本三大八幡にも数えられる規模を誇る神社で、境内には多くの文化財や史跡も残されています。
また、流鏑馬をはじめとした歴史ある祭礼も行われており、四季折々の楽しみ方があります。

鶴岡八幡宮の歴史や境内の必見スポットは別の記事で紹介したので、
この記事では1度訪れたことのある人でも楽しめるような、知られざる魅力をご紹介します!


基本情報はこちらの記事で紹介しています!

もっと!境内散策

鶴岡八幡宮の境内は広大で多くの末社や史跡が点在しています。
多くの人は中心の本宮に参拝して帰ってしまいますが、時間があれば境内散策もおススメです。
賑やかな表参道とは違った雰囲気を楽しめますし、緑が多くリフレッシュできますよ!

丸山稲荷社(重要文化財)

境内の最も高い場所にある稲荷神社です。
本宮向かって左手の小高い丘の上、メインルートから外れているためあまり知られていません。
鳥居が乱立する参道が印象的で、登りきると小さな社殿があります。

実はこの神社、鶴岡八幡宮よりも歴史が古いのです。
建久2(1191)年の本宮創建以前よりこの地に鎮座していた地主神で、
本宮創建する際に現在の丸山と呼ばれる丘の上に移されたと伝わっています。

建築も室町期のものと推定され、境内で最も古い建築物。
本宮や若宮と同じく国の重要文化財に指定されています。


祖霊社

祖霊社は鶴岡八幡宮でも知られざる神社です。
参道の手水舎の脇から伸びている人気のない道を進んだ先に鎮座しています。

賑やかな参道の雰囲気とは異なり、鬱蒼とした木々に囲まれた静かな場所。
細く伸びた道沿いには数基の灯篭と、簡素な木造建築の社が建っています。

この神社は戦後に建てられた比較的新しいものです。
先の戦争の英霊や鶴岡八幡宮の歴代宮司など数多の祖霊が合祀されているとのこと。
観光誌にも載っておらず、公式な説明も少ないため観光参拝向けの神社ではなさそうです。

白旗神社

白旗神社は若宮より東側に鎮座する神社。
黒塗の社殿は立派で、本宮や若宮と比べて人も少ないことから静謐な雰囲気が漂います。

ご祭神は源頼朝公と源実朝公。
白旗は源氏の旗の色として知られており、
神奈川県内を中心に点在する白旗神社は源氏の武将をご祭神としている場合が多いです。

近くには、遷座前に八幡宮が建っていた材木座の由比若宮(元八幡)遥拝所もあります。

鶴亀石

白旗神社の近くに安置された鶴亀石と呼ばれる1対の石。
相模風土記によれば、水で石を洗うと鶴と亀の文様が輝き出る不思議な石のようです。

旗上弁財天社

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源氏池の小島にある弁財天社。
歴史は源頼朝が承久の乱で旗上げした時に始まると伝わっています。
武神としての性格も持っていた弁財天を祀っていましたが、明治の廃仏毀釈により解体。
社殿は昭和55(1980)年の復元です。

願をかけた旗を奉納するしきたりがあるため、境内にはたくさんの白旗が乱立。
鎌倉七福神に選定されており、境内の社務所で御朱印を頂くことができます。

ふじTopics!

舞殿の上で日向ぼっこをする鳩の群れ

鳩と鶴岡八幡宮

鶴岡八幡宮の境内でよく目にするのは鳩。
「鶴の名が付いているのに鳩?」と、不思議に思われる方もいるかもしれません。
しかし、本宮楼門の額に書かれた「八幡宮」の文字には2羽の鳩が隠れていたり、
鳩に関連するお守りが売られていたりと、鳩は八幡宮と縁のある生きものなのです。

文献にはあまり残されていない情報なので、詳しいことはわかりませんが、
歴史をたどれば、鳩が八幡神である応神天皇を案内したとの逸話もあるそうです。

白い鳩が暮らす旗上弁財天社

境内の源氏池に浮かぶ旗上弁財天社には、不思議なことに白い鳩がたくさん。
白い鳩ばかり集まっている光景は珍しいので、気になる方は行ってみてください。

人馴れしているせいか、こちらから近寄ってもあまり逃げません。
社務所で販売している餌を購入すると、すごい勢いで近づいてくるばかりか
肩や頭の上まで乗ってきますのでご注意くださいね…!!

境内の授与所で頂くことができる鳩みくじ

授与所では鳩にちなんだ授与品を頂くことができます。
丸っこく可愛い鳩のかたちの鈴が付いた鳩鈴守は10,00円。
色は金・銀・白3種のバリエーションがあります。

神社といえばおみくじ。鶴岡八幡宮限定の鳩みくじは1回200円。
おみくじのほかに、ちいさな鳩のストラップが付いてきます。
袋のカラーリングとストラップの色が同一になっているようです!
どちらも境内授与所のみで購入することができます。

鎌倉といえば、豊島屋の鳩サブレーもお忘れなく。
鎌倉駅や若宮大路で購入することができますよ!

大銀杏とその後

大石段の横にある大銀杏の切り株

鶴岡八幡宮の大石段の脇に、かつて大銀杏がありました。
樹齢1,000年と言われた大銀杏は風格があり、秋の頃は美しいものでした。
二代将軍頼家の遺児公暁が、三代将軍源実朝を暗殺する際にこの銀杏に隠れていたとも言われ、 「公暁の隠れ銀杏」とも言われています。

そんな歴史ある巨木は、2010年3月の早朝に強風により突然倒木してしまいました。
当時、神奈川版の新聞では大々的に報じられた記憶があります。

日中は多くの参拝客が行き交う場所のため、
人のいない時間に倒れたことにも神秘性を感じてしまうのでした。

歴史ある風景が失われたことは残念でしたが、
大銀杏の切り株からはすぐに若葉が芽吹き始め、今もすくすくと成長しています。