古都鎌倉の中心地/鎌倉 鶴岡八幡宮 その1

鎌倉の歴史と深く結びついている鶴岡八幡宮。
古都鎌倉の中心部に位置し、源氏の氏神社として信仰を集めてきました。

関東屈指の規模と歴史を誇る神社で、境内には多くの文化財や史跡も残されています。
また、年間を通じて数々の祭礼も行われており、四季折々の楽しみかたがあります。

鎌倉観光に訪れた際は、必ず参拝しておきたい鶴岡八幡宮の歴史と魅力をご紹介します。
アクセス情報や混雑情報もチェックです!

すぐわかる!鶴岡八幡宮の魅力

60段の階段の先に建つのは本宮、境内の緑とのコントラストも美しい

鶴岡八幡宮3つの特徴

1.鎌倉時代から続く屈指の神社
…鎌倉時代以前に源頼義が京都の石清水八幡宮を鎌倉材木座に勧請したのが始まり。
建久2(1191)年に源頼朝が神社の場所に遷して整備したのが現在の鶴岡八幡宮です。

2.日本三大八幡のひとつ
…祀っているのは八幡神として知られる応神天皇に比売神と神功皇后を合わせた三柱。
大分の宇佐八幡宮、 京都の石清水八幡宮と並んで日本三大八幡に数えられています。
八幡神は武神として知られ、武家の守護神として多くの武士に篤く信仰されました。
そのため、現在でも先勝祈願や心願成就のため訪れる人も多くいます。

3.鎌倉文化の中心地
…境内では様々な歴史のある年中行事が行われています。
毎年8月は淡い灯りが夏の夜を彩る「ぼんぼり祭」 。
毎年9月には頼朝が始めたとされる鎌倉の一大風物詩、 「流鏑馬神事」 が行われます。
年間を通じて、鎌倉の歴史と文化が育んだ魅力がぎゅっと凝縮されています。
また、文化財も多く保有しています。
国の重要文化財に指定された建造物のほかに、
宝物殿では数々の神宝類、鎌倉国宝館では市内の国宝を保存展示されています。

アクセスと拝観料

JR横須賀線および江ノ電 鎌倉駅より徒歩10分

鎌倉駅のメイン改札口である東口(JR駅の改札)が便利です。
江ノ電で到着した場合は、地下道を利用して東口へ。
神社までは飲食店と土産店が連なる小町通りを通過していくルートと、
正式参道の若宮大路(段葛)を通るルートの2パターンあります。

境内参拝自由 / 宝物殿は大人200円・こども100円

境内は自由に出入りすることができ、早朝や夕方の参拝も可能。
神宝類を展示した宝物殿は別途拝観料がかかります。
鎌倉市が運営する鎌倉国宝館も観覧料あり。但し金額は展示内容によって異なります。

鶴岡八幡宮の歴史と必見スポット

若宮大路から本宮まで一直線に結ばれている

歴史とご祭神

鶴岡八幡宮は、前九年の役で奥州討伐を成し遂げた源頼義が、康平6(1063)年に現在の材木座に京都の石清水八幡宮を勧請したのが始まりです。
源氏の氏神として信仰された八幡宮は、治承4(1180)年には源頼朝によって現在の場所に遷座。現在の若宮社を建立しますが、火災により消失。建久(1191)年に若宮を再建し下宮とし、新たに山を削り本宮(上宮)を創建しました。現在の境内配置はこの頃から続いているものです。
最初に八幡宮を勧請した材木座には、現在でも元八幡と呼ばれる小さな神社が残っています。

境内の建築の多くは後世の再建で、本宮は文政11(1828)に造営されました。
江戸時代に主流であった流権現造りを今に残す建築のため、重要文化財に指定されています。

現在ではあまり知られていませんが、
明治維新までは鶴岡八幡宮寺と呼ばれていました。
神道と仏教が混在することを神仏習合と呼び、中世以降は一般的な世界観でした。
境内には神社の社殿のほかに多宝塔や堂宇が立ち並んでいましたが、明治維新の神仏分離と廃仏毀釈により、これらの建築はすべて失われています。


境内案内

近年再整備された段葛

若宮大路と段葛

鶴岡八幡宮の参道は若宮大路と呼ばれ、由比ヶ浜の海岸からまっすぐ伸びています。
その距離およそ2㎞。
道中には一ノ鳥居、二ノ鳥居、三ノ鳥居と3つの大きな鳥居が建てられています。

鎌倉駅から近い二ノ鳥居から境内までの間は、
道路の中央部分に段葛と呼ばれる歩行者専用の道が設けられています。
頼朝公が妻政子の安産を祈願して造ったと伝わる参道で、誰でも利用することができます。
境内に向かって道幅が徐々に狭くなっており、遠近感を演出しているのだとか。
車道より一段高くなった参詣路は歩きやすく、散策にもぴったり。

道沿いには桜の若木とつつじが植えられているので、春がベストシーズンです。

歴史ある道ではありますが、近年大改修されたため非常に綺麗です。
横須賀線開通以前はもっと距離が長く、三ノ鳥居から境内まで続いていたのだとか。
今では見る影もありませんが、昔に思いをはせながら歩くのも楽しいかもしれません。

朱色の橋で池を渡る

源氏池と平家池

境内東の池は源氏池と呼ばれている

三ノ鳥居をくぐり境内に入ると、小さな赤い橋を渡ります。
向かって左側の池は源氏池、右側の池は平家池と呼ばれています。
源氏池には産を意味する3つの島が、平家池には死を意味する4つの島が浮かんでいます。
いつの頃から言われ始めたかはわかりませんが、源平合戦の末に誕生した鎌倉らしいエピソードです。
源氏池に浮かぶ島のひとつには旗上弁財天があり、歩いて渡ることができます。

本宮(上宮)

61段の大石段を登ると、本宮があります。
建久2(1191)年までは若宮だけでしたが、新たに開削した山の中腹に本宮を建立しました。
本宮では応神天皇、比売神、神功皇后を祀っています。

朱色が映える流権現造りの建築は、
文政11(1828)年の造営で、国重要文化財に指定されています。

振り返ると、鎌倉の街並みが広がり開放感抜群。
由比ヶ浜まで一直線に伸びる若宮大路を眺めるていると、
この神社が鎌倉の中心であることを実感します。