伊勢神宮の別宮とは?豊受大神宮(外宮)編~歴史・御祭神・地図~

豊受大神宮一の鳥居

伊勢神宮の内宮と外宮には別宮と呼ばれる神社があります。

この記事では、外宮に所属する別宮4か所それぞれに祀られている神様や歴史などを簡単にご紹介します。

伊勢神宮の外宮とはどんな神社?

伊勢神宮には内宮と外宮を始めとする多くの神社があります。

外宮は正式名称を豊受大神宮といい、衣食住などの産業を司る豊受大御神をお祭りしている神社です。豊受大御神は内宮に祀られている天照大御神の御饌都神(食事を司る神様)でもあるため、神宮のなかでも内宮に次ぐ規模を持っています。日本神道では皇室の祖先とされる天照大御神が絶対的なので、その天照大御神に仕える豊受大御神を祀る外宮もまた格式の高い神社として知られています。

外宮まがたま池

お伊勢参りをする時は内宮と外宮でセットで参拝する場合が多いですが、外宮を先に詣でるのが正しいとされています。これには諸説ありますが、神宮の祭礼が外宮から内宮の順に執り行われることに倣ったというのが通説です。

外宮には豊受大御神を祀る正宮のほかに4カ所の別宮を持っています。

外宮(豊受大神宮)の別宮について

外宮には豊受大御神を祀る正宮のほか4つの別宮があります。

別宮とは正宮の次に格式の高い神社のことで、正宮の御祭神に関連性のある神様が祀られています。伊勢神宮の場合は内宮10ヶ所、外宮4ヶ所の計14カ所の別宮を持っています。この別宮は正宮と同じ敷地に鎮座している場合もあれば、少し離れた場所に鎮座している場合もあります。

外宮に属する別宮4か所のうち3ヶ所は正宮と同じ敷地内にあり、月夜見宮のみ少し離れた場所あります。その月夜見宮も同じ伊勢市内、外宮から徒歩圏内に位置しているので比較的参拝しやすいと言えます。

ちなみに別宮も式年遷宮が行われるため、社殿は20年に1度建て替えられます。遷宮の時期は別宮の格によっても異なっており、正宮と同じ年に実施されるものもあれば、別途執り行われるものもあります。

次にそれぞれの御祭神や場所についてご紹介します。

多賀宮

外宮多賀宮画像

多賀宮と書いて「たかのみや」と読みます。

外宮の別宮のなかではもっとも格の高い神社。御祭神は豊受大御神荒魂です。正宮と同じ豊受大御神の荒々しく強い神威側面を持つ魂を祀っています。神宮では同じ神様を別々の社殿に祀っていることがよくあり、内宮にも天照大御神の荒魂を祀った荒祭宮があります。

和御魂・荒御魂とは

和魂と荒魂は日本の神観念のひとつです。和魂は神様が優しく温和な状態、一方で荒魂は猛々しい状態を指しています。神様は二面性を持ち、コンディションによって異なる側面を顕わすと考えられています。

場所は外宮の敷地内ではもっとも高い場所に位置していて、98段の石段を登った先に鎮座しています。このことからも古くは高宮(たかのみや)と呼ばれていたそうです。ほかの社とは離れた場所にあるためか、静謐な雰囲気が漂います。社殿の目の前に大きな杉の木が生えているのも印象的でした。

多賀宮(たかのみや)
御祭神:豊受大御神荒御魂
住所 :三重県伊勢市豊川町(外宮域内)

土宮

外宮土宮画像

土宮と書いて「つちのみや」と読みます。

大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)という神様を祀っています。

外宮の社殿はすべて南を向いていますが、土宮のみ東側を向いていることころが特徴です。経緯としては土宮だけ他の別宮とは少し出自が異なるためです。御祭神の大土乃御祖神は、以前からこの地を守る神様として信仰されていましたが、外宮が遷座すると外宮管轄下に入りました。

当初は別宮としては扱われていませんでしたが、平安時代に近隣の宮川堤防の守護として別宮に昇格した経緯があります。古くから土地を鎮守していた土着の神様を格式のある神社として祀り上げることで、自然災害を治めようとしたのだと思います。社殿が東向きというのは神宮整備以前の古体をあえて残したためと考えられています。

場所は正宮から南下し、亀石を渡った先にあります。隣接する風宮の方角を向くかたちで社殿が建っています。確かにほかの別宮も参拝すると土宮だけ正面の向きが異なることに気づくことができるはずです。

土宮(つちみや)
御祭神:大土乃御祖神
住所 :三重県伊勢市豊川町(外宮域内)

風宮

外宮風宮画像

風宮と書いて「かぜのみや」と読みます。

祀られているのは級長津彦命(しなつひこのみこと)、級長戸辺命(しなとべのみこと)という風の神様です。紛らわしいですが同一の神様で、記紀神話のなかでも呼称や表記に差異があります。『古事記』では伊邪那岐と伊邪那美によって生まれた神と記されています。

農耕社会である日本人にとって風雨と農作物の成長は切り離せない関係のため、外宮だけでなく内宮の風日祈宮でも別宮として丁重に祀られています。また13世紀末、鎌倉時代後半の蒙古襲来以降のこと。国家の危機的状況に際し、いわゆる「神風」が起こり国難を乗り越えたことを機に別宮として昇格しました。

場所は、正宮から南下し亀石を渡った先の左手に鎮座しています。

風宮(かぜみや)
御祭神:級長津彦命または級長戸辺命
住所 :三重県伊勢市豊川町(外宮域内)

月夜見宮

月夜見宮と書いて「つきよみのみや」と読みます。

外宮のなかでは唯一離れた場所に鎮座していますが、多賀宮に次ぐ格式を持っています。

御祭神は月夜見尊(つきよみのみこと)と月夜見尊荒御魂。伊邪那岐と伊邪那美から生まれた神様で、天照大御神の弟としても知られています。また、月夜見尊は内宮の別宮のひとつである月読宮でも祀られています。

明治5年までこの国で使われていた旧暦は太陽太陰暦といって、月の満ち欠けと農作業は密接に結びついていました。このことからも月夜見尊の信仰も農耕と関係があると考えられています。

場所は伊勢市駅から徒歩10分ほどの伊勢市街地にあります。三方を水路に囲まれた緑深い敷地内には社殿のほか、摂社の高河原があります。この摂社には月夜見宮創建以前からこの地を守護する神様が祀られています。

月夜見宮(つきよみのみや)
御祭神:月夜見尊月夜見尊荒御魂
住所 :三重県伊勢市宮後1丁目3−19
最寄駅:JR参宮線 近鉄線 伊勢市駅から徒歩7分

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