釈迦堂切通し~鎌倉の古道・鎌倉七口を歩く~

鎌倉には切通しと呼ばれる岸壁を掘削して作った人工の道路があります。

三方を山に囲まれた天然要塞都市として機能していた鎌倉は、中世には外部との接合する要衝として切通しが設けられました。

切通しとは山を細く削って、人が行き交うことができるようにした道です。

今でも鎌倉の周辺には鎌倉七口と呼ばれる場所が残されています。

釈迦堂切通し

山地の多い鎌倉には、主要な場所以外にも切通しは存在します。

あまり知られてはいませんが、大町にある釈迦堂切通しは洞門のある立派なものです。

この切通しは金沢街道沿いの二階堂や浄明寺方面と、県道311号線沿いの大町方面の2ヶ所を結んでいる道路です。切通し付近は木々が鬱蒼とした峠路のようで、最頂部に洞門があります。

風雨の浸食を受けた立体的な造形が幻想的で、以前はよく映画の撮影にも利用されていました。

しかしながら、21世紀に入ってから崩落の危険性があるため通行は禁止。

釈迦堂切通し

以前は洞門の姿を眺めることはできましたが、現在ではもっと手前の住宅地付近にバリケードができてしまったようですね。

2011年に行ったときは、少なくとも目の前までは行くことができました。

私は金沢街道側から行きましたが、反対側の大町側から行ったほうが洞門の近くまで行けるようです。

崩落の危険もありますし、もう公開されることはないのかなと思っていました。最近調べたら公開に向けた動きがあることをタウンニュースが報じていました。

公開されることを楽しみにしています。

釈迦堂切通しの場所