
西武秩父駅は西武秩父線の終着駅です。
関東大手私鉄の最西端の駅としても知られており、関東の駅100選にも選ばれています。西武秩父線が開業したのは1969年10月。山岳地帯を正丸トンネル(4,811m)で抜けて西武池袋線と繋がることで、都心部から秩父地方への最短ルートが完成しました。そのため西武秩父駅は観光拠点としての位置づけが強く、池袋駅へ直通する特急ちちぶ号が運行されています。
2017年には駅舎をリニューアルし、駅舎併設の複合施設「西武秩父駅前温泉祭の湯」がオープン。以前は仲見世通りと小ぢんまりとした商店街がありましたが、リニューアルでずいぶんお洒落に生まれ変わりました。

駅は単式と島式の2面3線構造で、駅舎と直結する1番線が特急列車専用の単式ホームです。1番線には特急専用の有人改札があり、発着時のみ入ることができます。
2番3番ホームは各駅停車を中心とした特急以外の列車が発着。Sトレインなど池袋線の直通列車を考慮して10両編成分のホーム有効長があります。各駅停車は4両編成のため、ホームの屋根は4両分のみ用意されています。各ホームは跨線橋で繋がっています。
秩父鉄道(御花畑駅)への乗換えが可能。ただし駅構内では繋がっていないため、一度駅を出てから5分程度歩いた場所にあります。途中で一般道を横断したり、踏切を越えるなど公式感のない乗換え駅です。
発着する列車について

西武秩父駅に発着する列車は当駅~飯能駅間を結ぶ各駅停車が毎時2本程度、西武池袋線に直通する特急ちちぶ号が毎時1本発着します。休日ダイヤに限り、池袋線に直通する快速急行と元町・中華街駅まで乗り入れるSトレインが夕方に1本ずつ運行されています。
そのほか、休日限定で秩父鉄道との直通運転を行っています。午前中に飯能発の三峰口・長瀞行き、夕方に三峰口・長瀞発の飯能行きが各2本設定されています。三峰口方面の列車のみ当駅に停車します。長瀞方面の車両は隣の横瀬駅で分割併合し、連絡線を通って御花畑駅へと向かいます。
以前の休日ダイヤでは池袋駅に直通する快速急行や急行の運転もありましたが、年々減少しており上り1本だけ残された快速急行も2022年春のダイヤ改正で廃止予定です。
西武秩父駅周辺は秩父市街の南端に位置しています。
市街地の中心駅は約1㎞ほど離れた秩父鉄道の秩父駅ですが、西武秩父駅前には秩父観光協会やレンタカー店舗があるほか、駅舎直結の西武秩父駅前温泉祭の湯も完成して観光拠点としては秩父駅よりも便利です。また、秩父市役所や歴史文化伝承館(中央公民館)など行政施設も徒歩圏内。
芝桜で有名な羊山公園や秩父地方の自然史を紹介する武甲資料館が徒歩圏内のほか、御花畑駅付近から秩父神社まで伸びる番場通りはレトロな商店街となっているため、徒歩での散策もおススメです。
なお、三峯神社に向かう急行バスとミューズパーク・音楽寺方面の路線バスは駅前のバス停から発着しています。

西武秩父線と秩父鉄道は連絡線で結ばれています。
この連絡線を介して飯能~三峰口・長瀞駅間での直通運転が行われています。飯能~横瀬駅間では8両編成で運転し、横瀬駅で分割。前方4両が三峰口行き、後方の4両が長瀞行きとなります。途中駅での分割・併合作業は近年では珍しい光景となりました。
西武秩父駅の手前に連絡線の分岐点があるため、長瀞方面に乗り入れる列車は横瀬駅を出発すると西武秩父駅には停車せず、そのまま連絡線を通って御花畑駅に向かいます。三峰口方面に乗り入れる列車はいったん西武秩父駅に停車し、進行方向を変えてから連絡線に入ります。

秩父鉄道の御花畑駅は相対式2面2線構造になっており、秩父鉄道の列車は駅舎側にある1番線から発着。連絡線上に設けられた2番線は西武線直通列車の専用発着ホームです。直通列車は現在、休日ダイヤで2往復が設定されています。
2021年までは平日にも直通列車がありましたが、現在では休日ダイヤの2往復のみ。車両はすべて西武鉄道の4000系が使用されています。




















路線 :西武秩父線
住所 :埼玉県秩父市野坂町1-16
開業年:1969年10月14日
訪問日:2021年2月20日ほか