西武鉄道 西武秩父駅から散歩~慈眼寺・秩父神社・祭の湯ほか~

秩父神社の神門

西武鉄道 西武秩父駅からさんぽ

西武秩父駅駅名標

西武秩父駅は西武秩父線の終着駅です。

池袋駅から直通の特急も乗り入れる西武秩父駅は秩父観光の玄関口。秩父市街地も近く、レトロな街並みや歴史ある神社や寺院も点在していて、街歩きの楽しいエリアです。近年ではお洒落なカフェや飲食店も人気があります。

今回は徒歩で巡ることのできる3~4時間のコース。秩父市街地は平坦な場所なので、歩きやすいです。散歩の最後に駅直結の「祭の湯」で身体の疲れを癒してから帰れるのもポイントです。

西武秩父駅お散歩マップ

西武秩父駅お散歩ルート

西武秩父駅 ▶ 慈眼寺(札所十三番) ▶ 秩父今宮神社 ▶ 秩父神社(秩父まつり会館) ▶ 秩父駅 ▶ 武甲酒造柳田総本店 ▶ ほっとすぽっと秩父 ▶ 泰山堂cafe ▶ 西武秩父駅前温泉 祭の湯

お散歩コース

停車中の特急ちちぶ号

今回の「駅から散歩」は西武秩父線の西武秩父駅です。

池袋駅から特急列車も直通している秩父エリアの玄関口。西武秩父駅までは特急に乗車すれば最短80分なので、日帰りでの秩父街地の散策がおススメです。

西武秩父駅は秩父市街地の南側に位置していて、少し歩けばレトロな街並みと歴史ある名所が点在する秩父中心部に行くことができます。徒歩で巡れる範囲に様々な見どころが点在しています。

西武秩父駅は近年リニューアルされて、温泉やフードコートのある複合施設「祭りの湯」が併設されています。以前は垢抜けない雰囲気だった駅前もお洒落に変わりました。

SLパレオエクスプレス

改札を出たら、祭の湯に沿って歩き秩父鉄道の御花畑駅方面に向かいます。

西武秩父駅のすぐ隣には秩父鉄道が走っています。秩父エリアを縦断する私鉄で、蒸気機関車が走っていることでも有名。西武秩父駅と御花畑駅は乗換えが可能な駅ですが駅名も違いますし、結構遠いです。

ちょうど踏切待ちをしていたら、蒸気機関車が駆け抜けていきました。

SLパレオエクスプレスといって、休日に熊谷~三峰口駅間で1往復しています。御花畑駅にも停車するので、時間のある方は乗ってみるのもいいかもしれません。昔ながらの客車に揺られる旅もまた旅情があります。

尾花畑江駅近くの団子坂

さて、秩父鉄道の線路脇の道を歩くとすぐに御花畑駅に着きます。

駅の近くに短い坂道がありますが、ここを団子坂といいます。何の変哲もない短い急坂ですが、秩父夜祭に関連する重要な場所。秩父夜祭では巨大な山車が市街地を練り歩き、御旅所を目指します。20トンもの山車が団子坂を通る際に、人力で曳き上げる光景は秩父夜祭最大の見どころといわれています。

今回最初に立ち寄るのは、御花畑駅からすぐの場所にある慈眼寺という寺院です。

十三番札所 慈眼寺

慈眼寺本堂

慈眼寺は秩父三十四観音霊場の十三番札所です。

正式には旗下山慈眼寺といい、1486年曹洞宗の寺院。本尊は聖観世音菩薩で、境内中央にある観音堂に安置されています。この観音堂は19世紀末に再建されたもので、小ぶりながらも入母屋造の荘厳な造り。立派な彫刻もあしらわれていて、興味深いです。

慈眼寺本堂秩父札所十三番 慈眼寺を歩く~美しい社殿彫刻と目の仏様がいる寺院~
慈眼寺本堂の彫刻

境内奥には薬師堂があり、薬師瑠璃光如来が祀られています。

昔から「目の仏様」として親しまれているようで、眼病治癒にご利益があるのだとか。境内の絵馬には大きく「め」と書かれていたり、寺務所でメグスリノキを使った眼茶(めちゃ)を販売していたりしていました。

お線香

境内の線香はPayPayでも支払えるようになっていました。

最近ではQR決済のできる寺社も増えてきましたね。

さて、ここからは少し秩父の街中を歩いて次の目的地に向かいます。

秩父市街地の風景

番場通りから東町通りに折れて、次に向かうのは秩父今宮神社です。

東町通りは商店街のようになっていて、狭い道路の両脇にお店が並んでいます。観光客が多く歩いている番場通りとは異なって、比較的静かな道ですね。

秩父市街地の風景

秩父神社の門前街として栄えた秩父の街は、歴史も古いため様々な時代の建築が共存しています。自動車社会になる前から街並みが出来上がっていたと見え、道幅が狭い道路が多い印象です。

古さを程よく残した街並みが味わい深いです。

車通りの多い中町通りを信号で横断して、少し先に進むと秩父今宮神社に到着。左手に「秩父霊場発祥の地」と書かれた大きな看板が目印。右手にある境内は木々が生い茂っていて独特の雰囲気があります。

秩父今宮神社

今宮神社社殿

秩父今宮神社は秩父エリアで名だたる古社です。

公式HPの由緒によれば、有史以前に信州諏訪の勢力がこの地あった霊泉に水神を祀ったことが起源とされています。その後は伊邪那岐・伊邪那美を祀り、修験道で知られる役行者によって八大龍王と合祀され、宮中八神と習合するなか「八大龍王宮」と呼ばれるようになりました。

八大龍王秩父今宮神社を歩く~神仏習合が色濃く残る龍神木のある神社~
秩父今宮神社の境内

時代によってさまざまな神仏を習合を繰り返しながら信仰が拡大し、往時の境内には寺院・神社・修験道場などの建物が混在していたといいます。明治の神仏分離令が下ったあとは、今宮神社として現在に至ります。

広々とした境内には弁天社、稲荷社、天満宮、役行者を祀る行者堂など現在も多くの社が点在しています。その中央に位置してひときわ目立っているのが「千年欅」の異名を持つ龍神木です。その名の通り樹齢も1,000年を超える霊木で、大きな洞には龍神が棲むとして信仰の対象になってきました。

龍神木をはじめ、武甲山の伏流水が流れる龍神池など古来の自然信仰の片鱗を今も感じることのできる神社です。

マスクをした撫牛

玉石を敷いた境内は明るく、たくさんのベンチも用意されていて落ち着くことのできる神社です。訪れたのは2月でしたが、龍神木をはじめとする境内の木々が緑に繁る時期はさらに清らかな雰囲気かもしれません。

少し中心部からは外れた場所にあるのであまり知られてないですが、おススメの神社です。

秩父神社

秩父神社の神門

次に訪れたのは市街地にある秩父神社。

秩父の街の総鎮守として信仰の篤い神社です。そして、神社を中心に街が出来上がったんじゃないかと思うくらい、市街地の中心地にあります。

古来、秩父地方は知知夫国と呼ばれていました。知知夫国が栄えたのは律令体制以前の話なので、非常に古い時代のこと。その初代国造を務めた八意思兼命をその子孫の知知夫彦命が祀ったことが神社の起源とされています。平安時代の『延喜式』にも載っている関東地方有数の古社です。

秩父神社の正面秩父総鎮守 秩父神社を歩く~秩父夜祭と左甚五郎の彫刻のある神社~
秩父神社拝殿の彫刻

小難しい歴史は置いても、秩父神社は見どころの多い神社です。

特に見応えがあるのは本殿。1592年の再建された権現造の建築で、徳川家康も寄進したのだとか。社殿の周囲には緻密な彫刻が施されており、逸話や故事に倣った動物彫刻は見ていて飽きません。日光東照宮の眠り猫をはじめとする社殿彫刻を手掛けた彫刻職人・左甚五郎が携わっていることでも有名です。

左甚五郎とは?

江戸時代初期に活躍したとされる彫刻職人で、手掛けた寺社彫刻は全国各地に残されている。落語や伝説の題材になることも多いが、実在していた人物かどうかは不明。著名なものでは日光東照宮の眠り猫。秩父神社では繋ぎの龍のほか子宝・子育ての虎の彫刻を手掛けたと言われている。

改修工事の秩父神社社殿

社殿の周囲に彫られていますので、ぐるりと1周しながら眺めるのがおススメ。

残念ながら訪問当時は社殿が改修工事中。

御鎮座2100年奉祝事業として、2023年頃までは大規模な本殿改修工事を行うとのこと。この時期は足場が組まれて社殿が覆われてしまうので、一部の彫刻を見ることができない可能性があります。

秩父神社拝殿つなぎの龍

社殿の東側の側面に位置しているのが、繋ぎの龍

秩父市内にある十五番札所・少林寺の近くの池で龍が暴れた際に、この龍の彫刻の下が濡れてました。そこで、この彫刻を鎖に繋ぐと池に龍が現れなくなったという伝説が伝わっています。この龍の彫刻も左甚五郎が手掛けたといわれ、彼の腕が神業だったことからも同じような伝説が各地で語られています。

秩父神社拝殿の彫刻

また、毎年12月3日に行われる秩父夜祭はこの秩父神社の例祭です。

江戸時代の寛文年間から続く伝統ある祭りで、太鼓囃子や傘鉾と屋台が秩父の街を練り歩きます。関東でも有数の祭礼ですが、京都祇園祭と高山祭と並び日本三大曳山祭にも数えられています。

なかなか実際の祭りに参加することは難しいですが、実際に使用される笠鉾と屋台は神社の隣にある秩父まつり会館で展示されています。博物館のようになっていて、秩父夜祭の歴史なども紹介しているので、伝統文化や祭礼に興味のある方は是非。

秩父駅~武甲酒造柳田総本店

秩父鉄道秩父駅駅舎

秩父神社の裏手には秩父鉄道の秩父駅があります。

立派な駅舎がありますが、駅前はとても閑静な印象。駅前から伸びる道路は秩父ハーブ橋を経て秩父ミューズパーク方面を繋いでいるため、「旅立ちの日に」にちなんだ旅立ちの丘や二十三番札所の音楽寺に行きたい場合は駅前から路線バスを利用するのが便利です。

武甲酒造柳田総本店の店構え

秩父駅前通りを歩いて、秩父駅入口交差点を左折。国道299号線沿いに店を構えるのが武甲酒造柳田総本店です。

宝暦3年(江戸時代中期)創業の老舗酒造で、店構えにも趣があります。秩父今宮神社でも水神を祀っていたように、秩父の街には武甲山伏流水という良質な水が湧いています。この平成の名水100選にも選ばれた伏流水を用いてお酒を醸造しているのが特徴です。

武甲政宗ののぼり

店内では銘酒・武甲正宗をはじめ季節限定品などユニークなお酒も多数揃えています。お土産選びもお出かけの醍醐味ですから、お酒好きの方は必見です。私は果実酒が好きなので、秩父うめ酒を購入して自宅で楽しみました。

店舗の裏は酒造工場になっていて、コロナ以前は酒造見学も行っていたようですが、現在は受け入れ停止中とのこと。

伏流水とは?

伏流水は比較的浅い場所を流れる地下水の一種。山麓や河川の砂礫層を流れた伏流水は自然ろ過された良質な水質が特徴です。秩父地域では武甲山の伏流水が市街地を流れ、生活用水やお酒の醸造にも使用されています・

次は折り返して国道沿いに本町交差点まで向かいます。昔の街道筋ですので、所々に歴史のある建築も残っています。

例えば、明治時代の商人宿の建築を使用したしたほっとすぽっと秩父館、大正時代の秩父銘仙問屋の建物を使用した秩父ふるさと館。これらは観光客向けの施設ですので気軽に立ち寄ることができます。

特に珍しいものがある施設ではないですが、歩き疲れたら休憩がてら立ち寄ってみるのもいいかもしれません。

泰山堂cafe

泰山堂cafeの店構え

本町交差点で左折して、さらに黒門通へ逸れると、泰山堂カフェがあります。

こちらも昭和の建物をリノベーションした味わい深い佇まいが印象的です。色々なサイトでも紹介されていて、気になっていたカフェ。入口の扉もレトロな感じで可愛らしいです。

泰山堂cafe

お店の建築は国の登録有形文化財にも指定されています。

店内は広くなく、カウンター席がメインでテーブル席は2席ほど。照明は暗めで落ち着いた空間です。隣の印鑑屋さんとの通路にも小さいテーブル席があります。人気のお店ですので、休日は基本的に満席のようですね。運よくテーブル席に座れました。

泰山堂cafeのヌガーグラッセ

泰山堂カフェの人気メニューはヌガーグラッセ。

メニューはほかにも日替わりケーキなどがありましたが、今回は看板メニューのヌガーグラッセをドリンクセットで頂きました。お菓子のヌガーを冷やし固めた南フランス発祥のスイーツ。ナッツやドライフルーツを混ぜてあるので、食感も楽しいです。

お店は不定休ですので、事前に公式サイトで確認することをおススメします。

秩父市街地の風景

カフェで休憩したら、街のなかを歩いて西武秩父駅に戻ります。

時間があれば途中で番場通りをゆっくり歩くのも楽しいです。秩父神社の正面から伸びる番場通りには、飲食店や商店が立ち並んでいてよくテレビの旅番組でも紹介されています。食べ歩きもできますが、大正~昭和時代の店舗建築も味わい深いので必見です。

秩父駅前温泉 祭の湯

最後に立ち寄るのは西武秩父駅前温泉祭の湯

西武秩父駅に直結した温泉複合施設です。駅のリニューアルとともに2017年にオープンしたのでまだ新しいスポット。駅前にして天然温泉に入ることができますので、お散歩の最後に身体の疲れを癒します。

1階には秩父名物を提供するフードコートと物販エリア。2階が有料の温泉施設になっています。浴場は内湯のほか露天風呂もあり、露天風呂にある4つの湯船のうち岩風呂が天然温泉。ちなみに花見湯は、全国の有名な温泉地の効能を人工的に再現した一風変わったお風呂です。温泉地は季節ごとに変わるそうですよ。

浴場以外でいえば、コンセント付きのリクライニングチェアを完備したくつろぎ処があります。風呂上がりに武甲山を眺めながらリラックスできます。

駅前にあるにも関わらず広々して落ち着くことのできる施設ですので、個人的におススメです。駅直結なので電車の時間に合わせて出れば、待ち時間も少なくて済みます。

西武秩父線の車両

電車に乗る前にお土産を買いたい場合は、祭の湯の1階にあるちちぶみやげ市へ。

秩父エリアの幅広いお土産が揃っています。パッケージの可愛らしい秩福かりんとうも気になりますが、個人的にはもっちりとした食感がクセになるちちぶ餅がおススメです。

以上、西武秩父駅発の駅から散歩でした。

まとめ

西武秩父駅と武甲山
STRAT
西武秩父駅

今回の出発点となる駅。池袋駅から特急も乗り入れています。

慈眼寺本堂
立ち寄りスポット①
慈眼寺

秩父札所13番の寺院で、眼にご利益があると有名です。

立ち寄りスポット②
秩父今宮神社

樹齢1,000年を超えると言われる龍神木のある神社。

秩父神社拝殿の彫刻
立ち寄りスポット③
秩父神社

秩父地域の総鎮守で、江戸時代に再建された社殿の彫刻が見どころ。毎年12月に行われる例祭は秩父夜祭として有名で、祭の山車は隣接する秩父まつり会館にて展示されている。

武甲酒造柳田総本店の店構え
立ち寄りスポット④
武甲酒造 柳田総本店

江戸時代創業の老舗酒造で、建物は国指定登録有形文化財。

泰山堂cafeのヌガーグラッセ
立ち寄りスポット⑤
泰山堂cafe

レトロな雰囲気の古民家カフェ。スイーツはヌガーグラッセが人気。

GOAL
西武秩父駅前温泉 祭の湯

2017年にオープンした駅前温泉で、武甲山を望む露天風呂と高濃度人口炭酸泉が人気。秩父グルメが揃うフードコートとちちぶみやげ市は誰でも利用でき、駅直結で便利。

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