JR旧北陸本線 名立駅~トンネルに挟まれた無人駅~

名立駅の駅名標

今回は旧北陸本線の名立駅です。
山間部のトンネルに挟まれた名立駅を画像とともに紹介します。

旧北陸本線 名立駅

名立駅駅舎

名立駅はえちごトキめき鉄道日本海ひすいラインの無人駅です。

2015年春の北陸新幹線金沢延伸まではJR西日本の北陸本線に所属していました。名立川沿いのわずかな地上に設けられており、駅は頸城トンネル(11.35㎞)と名立トンネルという2つの山岳トンネルに挟まれています。

上下線とも毎時1本程度の本数で普通列車が停車します。

名立駅ホーム

駅は相対式2面2線の高架駅です。2つのホームの間には通過用の路線が設けられており、新幹線ホームに似た構造をしています。停車する普通列車のみがホーム側の路線に入線し、特急や貨物列車は内側の通過線を走行していました。北陸本線時代には「北越」や「はくたか」をはじめとする特急列車が多く走っていた頃の名残です。

直江津方面ホームの名立トンネル寄りから路線が分岐しており小規模な車庫があり、事業用車両が停車しています。現在停車する列車のほとんどは1両もしくは2両編成ですが、ホームの有効長はかなり長いところなど無人駅ながら駅構内は広い印象です。

名立駅の階段

ホームと地上にある駅舎は連絡通路で繋がっています。

名立駅構内

ホームへ向かう階段の下には上下線を結ぶ通路があります。高架下にあるので薄暗く、地下通路のようです。下り直江津方面ホーム寄り(北側)に駅舎があります。

駅舎は待合室として利用されており、無人化以前に使用されていた窓口の跡も残されていました。

名立駅の歴史と由来

名立駅の駅名標
北陸本線時代の駅名標(2009)

名立駅は1911年に開業しました。

信越線の直江津駅と北陸本線の富山駅間を結ぶ路線として計画され、直江津~名立駅間が完成。当時は終着駅でしたが、その後延伸が繰り返されて1913年に全通。約1世紀にわたり、日本海側の大動脈・北陸本線の一部として多くの列車が行き交いました。

名立トンネル
直江津側にある名立トンネルの入口(2009)

現在の名立駅は内陸寄りにあり、日本海沿いにある名立集落からは少し距離があります。理由は北陸本線の路線変更にあります。開業当時の北陸本線は現在よりも海側に路線を敷いており、名立駅も海沿いに広がる名立の集落に近い場所に設けられていました。

名立駅ホーム
北陸本線時代の普通列車419系(2009)

海沿いの旧線は長らく単線で、地滑りなどの災害による影響も多発したため、国鉄は1969年に浦本~直江津駅間を山岳トンネルを中心にした複線電化の新線に切り替えます。新線は以前よりも内陸寄りに設けられたため、途中にあった能生、筒石、名立の3駅は移転を余儀なくされ、名立駅も現在の場所に移転しました。

北陸本線の旧線路線跡はトンネル跡は一部で遊歩道に転用されており、廃線歩きも楽しむことができるようです。

新線開通後は1987年に国鉄からJR西日本への移管、2008年の無人化、2015年に北陸新幹線延伸による並行在来線の経営分離によりえちごトキめき鉄道への移管など目まぐるしく変化しつつも存続しています。

名立駅の情報

路線 :えちごトキめき鉄道 日本海ひすいライン
住所 :新潟県上越市名立区名立大町
開業日:1911年7月1日
訪問日:2009年8月6日
    ※写真はすべて訪問時に撮影したものです