鎌倉のシンボルといえば、今も昔も高徳院の鎌倉大仏。奈良の東大寺と並んで日本の代表的な大仏として知られています。
国宝にも指定されている鎌倉大仏ですが、その歴史は未だに多くの謎に包まれています。大仏殿がなく、青空の下に鎮座した姿に、武家都市の鎌倉らしい趣があります。
今回は、鎌倉大仏のある高徳院を歩きます。
謎多き鎌倉大仏に会いに行く
鎌倉大仏のある高徳院は、正式には大異山高徳院清浄泉寺という浄土宗の寺院。鎌倉有数の観光スポットでありながら、歴史については不明な点が多いお寺です
鎌倉大仏は高徳院本尊の鋳造阿弥陀如来坐像。
小高い山を背にして、青空の下に鎮座する「露坐の大仏」として有名です。
像の高さは約11.3m、台座を含んだ総高は13.35m。重量は約121tの鋳造仏。
その出自や経過については詳しい資料が残っておらず、不明な点が多いのが特徴。作風から当時流行した慶派(仏師の一派)と中国宋代の影響が伺えるため、鎌倉時代の作としては間違いないようです。 1252(建長4)年から建造が開始され、工期は比較的長期にわたっていたと考えられています。
創建当初は大仏を安置するための大仏殿などの建築物もありました。しかし、3度にわたる天災により倒壊。その後再建はされていませんが、大仏の周囲に大仏殿の礎石が残されており往時を偲ぶことができます。
大仏の胎内を見学する
鎌倉大仏は像の内部に入ることができます。
大仏胎内拝観といい、大仏の背後にある受付で拝観料を別途20円支払って入場します。
内部通路は非常に狭いですが、中心広々とした空洞になっていて、鋳造技術や後年の補強の痕跡を見て取ることができます。内部から大仏を見ることができるのは不思議な感じです。
昭和風情を色濃く残す売店
境内には昔ながらの雰囲気が印象的な売店が3店舗あります。
大仏向かって右手にある売店は高徳院直営の店舗。公式パンフレット(多言語版あり)や鎌倉関連の書籍、絵葉書などを取り扱っています。隣にはご朱印所もあります。
また、大仏の右手裏に1件と券売所前に1件、売店があります。こちらは鎌倉全般の土産店といった感じで、昭和風情の店構えがどこか懐かしく感じてしまいます。店内では鎌倉や湘南の土産物を幅広く販売しているほか、ソフトクリームなどの軽食も販売していますので、休憩にも最適です。
高徳院の場所
鎌倉駅から江ノ電で4分、長谷駅下車徒歩7分
高徳院の最寄駅は江ノ電の長谷駅です。
江ノ電を利用する方法のほかに、バスでのアクセスも可能です。
鎌倉駅(東口)から路線バスで10分、「大仏前」停留所下車すぐ
最寄りの「大仏前」停留所は高徳院の門前にあるため、非常に便利です。
鎌倉駅(東口)からバスに乗車する場合は、1番のりばまたは6番のりばから発着します。