豪華!伊勢志摩の観光特急しまかぜの魅力【停車駅・座席・予約方法など】

観光特急しまかぜ画像

しまかぜは近畿日本鉄道の観光特急。伊勢志摩方面の観光向けに開発され、他の特急にはない豪華な車内設備が人気となっています。この記事ではしまかぜの予約方法や車内の特徴などを、実際に乗車した際の写真とともに紹介しています。

観光特急しまかぜとは?

しまかぜは伊勢志摩方面に向かう観光特急。

大阪難波駅、京都駅、近鉄名古屋駅の3方面から伊勢鳥羽を経由して賢島駅を結んでいます。

車両は「乗ること自体が楽しみとなる」ことをコンセプトに開発され、展望車両やカフェ車両など観光特急らしい設計になっています。さらに、座席は個室を除いてすべてプレミアムシートとなっていて、上質で快適な車内空間を提供しています。

そのため、乗車には通常の特急料金のほかにしまかぜ特別車両料金が必要です。

停車駅と運休日

観光特急しまかぜ正面画像

しまかぜは大阪難波、京都、近鉄名古屋という3つターミナル駅から発着しています。

それぞれの駅から1日1往復運転しています

賢島行きは午前中(10時台)に各ターミナル駅を出発し、12時半~13時頃に賢島駅に到着。往路は賢島駅を午後(14時50分から16時)に出発するダイヤが組まれています。

大阪難波駅 発着

【停車駅】大阪難波、大阪上本町、鶴橋、大和八木、伊勢市、宇治山田、鳥羽、鵜方、賢島駅
【運休日】毎週火曜日(繁忙期は除く)

京都駅 発着

【停車駅】京都、近鉄丹波橋、大和西大寺、大和八木、伊勢市、宇治山田、鳥羽、鵜方、賢島駅
【運休日】毎週水曜日(繫忙期は除く)

近鉄名古屋駅 発着

停車駅】近鉄名古屋、近鉄四日市、伊勢市、宇治山田、鳥羽、鵜方、賢島駅
【運休日】毎週木曜日(繫忙期は除く)

停車駅は往復ともに同じ。同区間を走る特急のなかではもっとも停車駅が少なく、通常特急の停車する松坂市駅や五十鈴川駅、志摩磯部駅にも停車しません。

また、しまかぜは各方面とも1週間に1度、運休日があります。

大阪発着は火曜日、京都発着は水曜日、名古屋発着は木曜日が毎週運休日となります。平日に旅行をする場合はご注意ください。なお、夏休みや年末年始、GWなど行楽シーズンには運行する場合もありますので、事前に近鉄HPにてご確認をお願いいたします。

運賃・特急料金

しまかぜ乗車には運賃のほか特急料金に加え、すべての座席でしまかぜ特別車両料金が必要です。

近鉄では「ひのとり」のプレミアムシートや「アーバンライナー」のデラックス車両のように一般座席よりも上質な座席に特別車両料金を設けています。特急料金と特別車両料金も運賃と同じく乗車距離に応じて料金が変動します。

また、個室を利用する場合には別途、個室料金が1室につき1,050円必要です。個室料金は乗車距離にかかわらず一律です。

各ターミナル駅から伊勢志摩方面への料金は下記のとおりです。

通常の特急と比較すると、1,000円弱割高となります。

大阪難波駅 発着

【伊勢市】4,010円 (通常特急3,170円)
【鳥羽駅】4,770円 (通常特急3,720円)
賢島駅】5,040円 (通常特急3,990円)

京都駅 発着

【伊勢市】4,740円 (通常特急3,690円)
【鳥羽駅】5,010円 (通常特急3,960円)
賢島駅】5,680円 (通常特急4,520円)

近鉄名古屋駅 発着

【伊勢市】3,650円 (通常特急2,810円)
【鳥羽駅】3,930円 (通常特急3,090円)
賢島駅】4,700円 (通常特急3,650円)

まわりゃんせ画像

伊勢鳥羽志摩観光パスポート「まわりゃんせ」や「伊勢神宮参拝きっぷ」など、往復特急券付きのフリーパスを利用する場合は乗車券と特急券のみ有効です。しまかぜ特別車両料金は追加で購入が必要となりますので、予約時に追加料金を支払います。

しまかぜの予約方法

まわりゃんせ往復券

しまかぜは全席指定席のため、事前に特急券の予約と購入が必要です。

予約・購入方法としては、大きく分けて3つあります。

  1. インターネット予約・購入
  2. 近鉄駅窓口で予約・購入
  3. 旅行会社で予約・購入

インターネット

近鉄公式のインターネット予約・販売サービスから購入することができます。

チケットレスサービスのため乗車前に駅でチケットを発券する必要はなく、座席はシートマップから好きな場所を選択します。座席の変更は3回まで無料で行うことができます。

会員登録せずにすぐ購入することも可能ですし、会員になれば特急券購入で10%のポイント還元があります。還元されたポイントは次回以降の購入時に1ポイント1円で使用することができます。近鉄特急に乗る機会がある方は会員登録がおススメです。

特急引換券を使いたい場合は…

「まわりゃんせ」などのフリーパスの特急引換券を利用して購入したい場合は、仮予約という機能を利用します。こちらは会員登録をした方のみが利用できる機能です。インターネットで座席を予約し、支払い期限までに近鉄窓口で引換券と交換します。支払期限は予約から8日以内で、乗車日当日には引き換えられません。近鉄沿線以外にお住まいの方は旅行会社で予約するのが無難です。

近鉄駅窓口

近鉄賢島駅

特急券を発売している駅窓口で1か月前の10:30から予約・購入できます。

近鉄では特急券の発売駅は各路線の主要駅に限られています。特にしまかぜの特急券は自動券売機では購入できません。必ず窓口で営業時間内に購入する必要があります。

旅行会社

全国の近畿日本ツーリストをはじめ、JTB、日本旅行、農協観光などで購入することができます。

予約時に申し出れば、座席や号車の指定も可能。しかし、2020年以降は旅行会社の店舗数が激減していることもあり、以前よりも難易度が高くなってきています。また、旅行会社によっては別途取扱い料金がかかる場合がありますのでご注意ください。

なお、「まわりゃんせ」などのフリーパスを利用してしまかぜに予約したい場合で、近鉄駅のないエリアにお住まいの方は旅行会社で購入するのが、今のところ最善策です。

もっともおススメなのは…

もっとも便利でおススメなのがインターネット予約です。

列車や座席もシートマップから選択できますし、チケットレスのため駅窓口や改札での精算・発券の必要もありません。近鉄では特急券の取扱い窓口や営業時間が縮小傾向にありますので、インターネットでの利用をおススメします。

しまかぜは初登場から約10年が経過し、予約も取りやすくなってきましたが土日や連休中などは予約が早めに埋まってしまう傾向にあります。乗車したい場合はなるべく早めに予約することをおススメします。

車内設備と座席

賢島駅 近鉄特急

最後にしまかぜの車両と車内設備を紹介します。

しまかぜには近鉄50000系という専用の車両が使用されています。観光特急として開発され、すべての座席が一般の特急座席よりワンランク上のプレミアムシート。そのため座席定員数は従来の特急の半分となっています。車両はすべて6両編成です。

1号車(6号車)…展望車両
2号車(5号車)…一般車両
3号車(4号車)…カフェ車両
4号車(3号車)…グループ席車両
5号車(2号車)…一般車両
6号車(1号車)…展望車両


※ カッコ内は名古屋発着時の号車番号

先頭と後方の車両がハイデッカー仕様の展望車両。そのほかに個室がメインのグループ専用車両や2階建てのカフェ専用車両など、号車ごとにコンセプトが異なる点がしまかぜ最大の特徴です。

車両デザイン

しまかぜは白を基調として、伊勢志摩の空をイメージしたブルーのカラーリングをまとっています。先頭車両は6枚の大型ガラスを使用した多面的でシャープなデザインが印象的です。

号車ごとに座席の配置や車両の設計時代が異なるため、側面の外観も特徴的。

先頭車両の1号車と6号車は展望車両のため、他の車両よりも客室が高い位置にあるハイデッカー構造。3号車もしくは4号車のカフェ車両は2階建てのダブルデッカー構造をしています。1階部分に小窓、2階部分に曲面の大きな窓が設置されています。

展望車両(1号車・6号車)

先頭車両の1号車と6号車は展望車両です。

客室全体が高い位置にあるハイデッカー構造になっています。通常の車両よりも床が72㎝高いため、視界が広くダイナミックな車窓を楽しむことができます。特に最前列は前展望を眺めることのできる人気の座席。運転席との仕切りはガラス一枚だけなので、まるで運転席にいるかのような体験ができます。ハイデッカー仕様の展望席を持つ車両のなかでも開放感は最上級ではないでしょうか。

側面の窓も柱の少ない大型の曲面ガラスを利用しているため、客室内は明るく開放感があります。以前、JR東日本でスーパービュー踊り子号として走っていた251系を彷彿とさせる車内空間です。

シートは2号車や5号車と同じプレミアムシートで、座席は通路を挟んで2+1席の配列になっています。

特に進行方向の先頭車両は人気が高く早めに予約が埋まる傾向にあります。

乗車日が決まりましたら早めにネット予約することをおススメします。先頭車両の最前列を予約したい場合は発売開始日(乗車日の1か月前の10時30分)を狙いましょう。

予約時の注意点 ①

【大阪難波・京都発】賢島行き先頭車両は1号車です
【近鉄名古屋発】  賢島行き先頭車両は6号車です

プレミアムシート(2号車・5号車)

中間車両の2号車と5号車は一般的な車両です。

通路を挟んで2+1席の座席配置になっていて、シートピッチ(座席間隔)も125cmと余裕のある設計です。座席は本革を使用し、電動リクライニング機能や読書灯など新幹線のグリーン席に匹敵するような座席。もちろん各座席にコンセントも設置されています。

しまかぜ車内販売

テーブルも前の座席に取り付けられた背面テーブルのほか、ひじ掛けに格納されている小さなテーブルの2種類が利用できます。背面テーブルは大きく設計されているので、車内販売で飲食物を購入した場合でも広げて食べることができます。

また、2号車(名古屋は5号車)には車椅子対応の座席が2つ用意されています。

予約時の注意点 ②

・ひとり掛けの座席はA席で、山側に窓があります
・2人掛けのB席とC席で、海側に窓があります

カフェ車両(4号車 or 3号車)

4号車(名古屋発着は2号車)はカフェ車両です。

しまかぜで唯一客席のない号車で、2階建て構造になっています。カフェはすべて海側を向いたカウンター席で、客席は2階が13席、1階が6席あります。景色を楽しむのであれば、開放感のある2階がおススメ。一方で1階は少し狭いですが、座席がソファ仕様になっているため、落ち着いて食事をすることができます。

カフェでは海の幸ピラフや松坂牛カレーなど沿線にちなんだ軽食や、名品を販売しています。旅先で食べるものが決まっているのであれば、スイーツセット(スイーツ・焼菓子・ドリンク)もおススメです。

また、一部の商品はカフェでなくとも車内販売や4号車にある販売カウンターでも購入することができます。

グループ席車両(3号車or4号車)

4号車(名古屋発着は3号車)はグループ席車両です。

3人以上のグループ向けに3つの異なるタイプの席があります。

まずは、3~6名で利用できるサロン席。大型テーブルを挟んで向かい合うコンパートメント型で、扉がないので個室ではありません。サロン席は3室あり、座席は山側、通路は海側にあります。

そのほか、和風個室と洋風個室があり定員はそれぞれ3~4名です。個室はサロン席とは異なり、通路と完全に壁で仕切られています。個室は海側に窓がある設計で、和室は掘りごたつ風、洋室はリビング風のデザインです。なお、利用には1室あたり1,050円の個室使用料金が必要です。

予約時の注意点 ③

個室は下記区間に含む場合に限り発売
【大阪難波京都発】大和八木~伊勢市
【近鉄名古屋発】近鉄四日市~伊勢市

※ 個室は3名以上の利用時に発売
※ サロン席は4名以上の利用時に発売

その他(おまけ)

しまかぜ乗車記念

しまかぜに乗車すると、記念乗車券とおしぼりをもらうことができます。

記念乗車証にはデザインが数種類あります。私は2回乗車したので、伊勢神宮が描かれたものと、賢島の風景が描かれたものをもらいました。年度によってデザインも変わるようなので何度乗っても楽しめそうです。

しまかぜWiFi

しまかぜ車内では無料WiFiが利用できます。

自分のスマートフォンやタブレット端末を使用してWiFi経由でコンテンツを視聴することもできます。現在地や先頭車両からの走行映像などをリアルタイムで確認することもできますし、車内設備や観光案内のコンテンツもありました。

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