JR北陸本線 金沢駅~加賀百万石の城下町がある駅~

JR金沢駅前

今回は旧北陸本線の金沢駅です。
城下町金沢の玄関口として知られている金沢駅を画像とともに紹介します。

JR北陸本線 金沢駅

金沢駅はJR西日本とIRいしかわ鉄道の駅です。

石川県の県庁所在地・金沢市にあるターミナル駅で、JR西日本の北陸新幹線北陸本線IRいしかわ鉄道が乗り入れています。いしかわ鉄道を経由してJR七尾線も発着しているほか、少し離れた兼六園口の地下に北陸鉄道の北鉄金沢駅もあります。

金沢駅は高架駅で、新幹線と在来線が並列した構造になっています。東側が新幹線、西側に在来線の駅があり、1階が改札口、2階がホームです。途中にある中2階には乗換え専用改札と駅ナカ施設「あんと」直結改札が設置されています。

北陸新幹線 金沢駅

金沢駅新幹線改札口

新幹線のホームは島式2面4線の構造で、11~14番線を割り当てられています。

現在のところ金沢駅が西側の終着駅となっているため、すべてのホームから富山・東京方面の列車が発着しています。速達タイプの「かがやき」、長野以西の各駅に停車する「はくたか」、金沢~富山間のシャトルタイプ「つるぎ」すべての列車が停車します。

北陸新幹線は2024年度に福井駅を経由して敦賀駅まで延伸予定です。開業後と同時に金沢駅は途中駅となり、11,12番線が東京方面、13,14番線は敦賀方面のホームとなることが予想されます。

在来線(JR・IRいしかわ鉄道) 金沢駅

金沢駅在来線改札口

在来線の駅はJRとIRいしかわ鉄道が共同使用しています。

ホームは切欠きホーム1線を含む島式3面4線の構造で、1番~7番線を割り当てられています。1~3,5番線を北陸本線、4~7番線をIRいしかわ鉄道と七尾線が使用しています。4番線は中央の島式ホームの富山寄りの切欠きホームになっており、構造上ホームが短く当駅始発の普通列車のみが発着します。

沢駅はすべての路線の起終点となっているため、基本的には当駅始発列車です。特急「サンダーバード」の一部列車のみ金沢駅を途中駅として、大阪方面と和倉温泉を直通で結んでいます。

金沢駅の優等列車

【JR】特急サンダーバード、しらさぎ、ダイナスター、能登かがり火、花嫁のれん
【IRいしかわ鉄道】あいの風ライナー

北陸本線普通列車
北陸本線普通列車521系(2019)

北陸本線の普通列車は毎時2本程度運転しています。2本のうち1本は短距離の小松行き、もう1本が福井行きです。朝夕は毎時3本程度で、七尾線やIRいしかわ鉄道と直通運転は行いません。

IRいしかわ鉄道は、北陸新幹線が金沢駅まで延伸した2015年に開業した第三セクター鉄道です。旧北陸本線の金沢~倶利伽羅駅間を引き継いでいます。同じく倶利伽羅~市振駅間を引き継いだあいの風とやま鉄道と直通運転を行い、すべての列車が富山県内の富山駅や泊駅まで乗り入れています。

毎時1,2本の運転ですが、高岡・富山~金沢間での通勤通学利用者が多いため夕方は増発されます。また、平日ダイヤではライナー券が必要な「あいの風ライナー」を3本運転しています。

金沢駅在来線ホーム
七尾線普通列車413系(2019)

七尾線の普通列車は毎時1本程度の運行、朝夕は増発して毎時2,3本です。

七尾線の起点は津幡駅ですが、津幡から先はIRいしかわ鉄道に乗り入れてすべての列車が金沢駅から発着します。

普通列車は早朝と深夜の一部列車を除いて七尾行き。七尾線の終点である和倉温泉まで直通するは特急のみで、七尾駅から先の普通列車はのと鉄道が運行しています。

特急サンダーバード

特急は大阪~金沢間の特急「サンダーバード」、名古屋~金沢間の「しらさぎ」が毎時1本以上発着しています。これらの特急が運転されない朝夜時間帯は「ダイナスター」が福井~金沢間で運転します。

七尾線を走る特急は「能登かがり火」と「花嫁のれん」で、どちらも金沢~和倉温泉間で運転します。以前は「サンダーバード」を中心とした特急が金沢駅から和倉温泉駅まで直通していましたが、現在直通する列車は1往復のみ。金沢駅に到着する北陸新幹線や特急に接続する形で運転しています。

「花嫁のれん」はキハ48形気動車を改造した観光列車で、休日・休前日を中心に1日2往復しています。

金沢駅ビル(百番街)

金沢駅構内

金沢駅は駅ビルと一体化しており、駅内に多くの施設が入ります。

改札のある1階は中心に東西自由通路が横切り、西・南・北分かれて商業施設の金沢百番街があります。西側はスーパーマーケットや飲食店の入る「あんと西」、南側は金沢銘菓をはじめとするみやげと金沢グルメが集まる「あんと」、北側はファッションや雑貨店の入る「Rinto(りんと)」に分かれています。

特に「あんと」は金沢の名産品や銘菓の店舗が一堂に会しているので非常に便利。おみやげ探しはここに来れば間違いないかと思います。

また、「Rinto」の手前側には観光情報センターがあります。

金沢だけではなく、北陸全体の観光情報を取り揃えており、最新の観光マップやクーポン券などを入手することができます。イベント情報なども紹介しているので、観光目的で到着したらまず立ち寄りたい場所です。

兼六園口(もてなしドーム&鼓門)

兼六園口は金沢駅のメインとなる出口です。

兼六園や金沢城をはじめとする観光地や、行政機関の集まる市内中心部に近いのは兼六園口で東口とも呼ばれています。金沢駅と市街地は1㎞~2㎞ほど離れていますが、駅前も独自に発展しており、OPA系列の商業施設「金沢フォーラス」やホテル日航金沢等のハイクラスホテルも徒歩圏内です。

駅前は新幹線の開通を見越して大規模に開発され、もてなしドームと鼓門を中心に据えた統一感のある駅前づくりに成功しています。駅に向かって右側はバスロータリーで、近距離の路線バスから長距離高速バスまで頻繁に発着しています。

観光旅行者向けの「城下まち金沢周遊バス」や「まちバス」も金沢東口から発着しています。

路線バスで金沢を巡る!観光に便利なバス紹介【乗り方&選び方解説】

東口地下広場には北陸鉄道浅野川線の北鉄金沢駅あります。

浅野川線は駅前再開発のため2001年に地下街と一体化した駅になりました。小さいながらを窓口と待合室も併設しており、頭端式1面2線のホームからは内灘行きの列車が毎時2本程度発着してます。

もてなしドーム

もてなしドーム画像

もてなしドームは兼六園口に設けられたガラス張りの建築です。

白江龍三氏のデザインで、2005年に完成しました。高さ29.5mの巨大なドームは、アルミニウム合金を使用したトラス構造と3019枚のガラスで作られています。

この建築は雨や雪の多い金沢を訪れた人に傘を差し出すもてなしの心を表現しており、「もてなしドーム」と名付けられているそうです。ドームは風雨から利用者を守る機能があり、駅から市街地に向かう人がバスやタクシーに乗るときに、雨に濡れずに移動することができるようになっています。

空港にも似たガラス張りのダイナミックな空間は視覚的にも有効ですね。

金沢駅兼六園口

もてなしドームの内部は北鉄金沢駅や地下広場を繋ぐ通路と北鉄グループの総合案内所があります。人の導線にならない部分には水路やベンチが設置され、待ち合わせ場所としても活用されいるようです。

夜も雰囲気が異なって美しいです。

昼間はガラス越しの空の色が印象的ですが、夜はライトアップされたアルミのトラス構造が浮かび上がって近未来感があります。ドーム内のほとんどは間接照明を利用しているため、落ち着いた静かな空間に仕上がっています。

鼓門

金沢駅のシンボルにもなっている大きな木のモニュメントが鼓門。

金沢の伝統工芸として知られる能楽で使われる鼓に着想を得た木製の建造物で、高さは13.7m。螺旋を描く柱構造とうねりを持たせた屋根が印象的です。

金沢に到着した人を優しく迎え入れるもてなしドームと対を成す、荘厳で存在感のある鼓門。

金沢という街の風土と文化が建築を通して表現されていて、個人的にも大好きな駅のひとつ。日本各地の駅前は機能主義的で狭い場所が多いですが、金沢駅前は街の玄関口として「対外」を意識した街づくりに感動を覚えます。

もてなしドーム夜景

威風堂々とした鼓門は日中に眺めるのもいいですが、夜もおススメ。

日没以降は深夜0時までライトアップされるので、複雑な建築構造がさらに印象的に見えます。また、毎時00分から2分間は加賀五彩をイメージしたライトアップを実施していて、曜日ごとに異なる色に照らされます。土日祝日に至っては10分間で5色すべてのライトアップを楽しむことができるようです。

金沢港口

金沢港口は市街地と反対側の出口です。

西口とも呼ばれており、新幹線開業に合わせた開発で綺麗になりました。非常に立派な駅前広場があるものの、周辺はまだ空地も多く広々としています。周辺のビジネスホテルは新幹線開業前後に完成した建物が多く、駅近で綺麗なのでおススメ。

駅前からまっすぐ伸びるけやき大通り(県道60号)は石川県県庁を経て金沢港まで続いています。

駅前ロータリーから路線バスが発着しています。

バス停名は金沢駅西口で、金沢市中心部に向かうバスは反対側の兼六園口を起点にしている場合が多いですが、西口からもいくつか出ています。また、珠洲・輪島方面の特急バスと小松空港リムジンバスは西口が起点です。

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金沢駅の歴史と由来

金沢駅在来線ホーム
新幹線開通前の在来線ホーム(2009)

金沢駅が開業したのは1898年のことです。

北陸本線の前身である北陸線は敦賀方面から延伸を続け、1898年の4月には小松~金沢駅間が開業します。北陸本線は戦後、関西方面と信越方面を結ぶ主要路線として複線化と交流電化が実施され、列車の本数も増加。1991年には、北陸の主要駅では福井駅や富山駅に先立って駅ホームの高架化を実施しました。

金沢駅電光掲示板
金沢駅の発着時刻表(2009)

新幹線が開通していなかった当時は優等列車の全盛期。

北陸本線は特急街道とも呼ばれ、金沢駅にも多くの特急列車が行き交いました。関西方面からは「雷鳥」と「サンダーバード」、名古屋方面からは「しらさぎ」、新潟・越後湯沢方面からは「北越」や「はくたか」などです。車両も国鉄型から高速運転が可能な高性能車まで多種多様な形式が走っていました。

北陸本線457系
往時の北陸本線普通列車(2014)

2015年には北陸新幹線が金沢駅まで延伸開業し、新幹線の終着駅となります。

並行する北陸本線の金沢~直江津駅間は経営分離を実施し、金沢~俱利伽羅駅間はIRいしかわ鉄道に移管。優等列車は金沢以西の「サンダーバード」と「しらさぎ」を残し、北陸エリア内完結の「ダイナスター」と「能登かがり火」を新設しました。

今後は2024年に北陸新幹線の敦賀延伸が控えています。新幹線の延伸後は並行する北陸本線の第三セクター化や優等列車の廃止など運転系統が大きく変更されることが予想されます。

金沢駅の駅スタンプ

北陸本線金沢駅スタンプ
金沢駅スタンプ(2009)

JR金沢駅のスタンプは新幹線改札前に設置されています。

スタンプはJR西日本の共通デザインのもので、「日本三名園 兼六園の駅」として兼六園にある徽軫灯籠(ことじとうろう)と雪吊りの唐崎松が描かれています。新幹線開業前後でデザインは変更されていません。スタンプには北陸本線の文字が入っていますので、北陸新幹線の福井延伸時には変化が起こるものと思われます。

金沢駅スタンプ
金沢駅スタンプ設置場所(2019)

金沢駅の情報

路線 :JR西日本北陸新幹線、北陸本線、七尾線、IRいしかわ鉄道
住所 :〒920-0858 石川県金沢市木ノ新保町
開業日:1898年4月1日
訪問日:2009年8月6日、2014年8月7日、2019年5月24日