北鎌倉駅近古刹/北鎌倉 円覚寺

鎌倉寺社巡り

円覚寺は北鎌倉随一の古刹。
時の執権北条時宗は文永・弘安と2度の元寇に殉じた両軍戦死者を弔うために建立た禅寺です。
時宗は禅に帰依しており、師としていた無学祖元を開山に迎えました。

寺号である「円覚寺」は寺地を選択する際に、この地から石櫃に入った円覚経が出てきたことによると、参拝パンフレットには紹介されています。

その後は「仏光派」の禅寺として隆盛し、鎌倉五山第二位としても世に知れることとなります。
起伏のある広大な境内には国宝の洪鐘、舎利殿を含む文化財建築が残されるほか、18もの塔頭が並んでいます。
夏目漱石ゆかりの塔頭・帰源院も特別拝観時には見学することができます。

私がもっとも好きなのは、山門。
天明三年(1782)に再建された禅宗様の建築です。
この山門に向かって階段を登っていくと、心を一度リセットさせてくれるように感じます。

境内奥には「白鹿洞」という小さな洞穴跡があり、この寺が開かれる日に洞内から白鹿が現れたという伝説も残されています。
そのため、円覚寺の山号は「瑞鹿山」というのだそう。

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円覚寺はJR横須賀線の北鎌倉駅からすぐ。
下り(久里浜方面)ホームの先端にある簡易改札から出れば入口までは徒歩30秒ほど。

しっかりと参拝したいのであれば、踏切を渡って駅舎から改札を出て、鎌倉街道から白鷺池を通るのがおススメです。
この池は横須賀線の線路分断されてしまった円覚寺境内で、以前は繋がっていました。

階段を登ると拝観受付。
改めて境内に入ると、巨大な山門が目につきます。

山門の手前には針葉樹が植えられていて、禅寺らしい風景です。
とてもモノクロームの世界が似合うと思い、モノクロで撮影してしまいました。


門特有の重厚さよりも、シャープで端麗な印象を受けます。
組み物や垂木の並びが美しく、楼上の円窓が印象的です。

屋根の反りと共に、放射状に並べる扇垂木が生きもののようだと感じるのは私だけでしょうか。
同じく鎌倉五山の有名な建長寺の山門も同じく禅宗様の建築ですが、異なった雰囲気があります。

正面に掲げられた「円覚興聖禅寺」の額は伏見上皇によるもの。

山門をくぐると、次は仏殿。

昭和39年(1964)に再建されたもので、コンクリート造りのどっしりとした構えです。
本尊は宝冠釈迦如来。
内部は巨大でいてこざっぱりとしていますが、誰でも参拝できます。

仏殿の脇から奥へ進むと、国宝の舎利殿や各塔頭が点在しています。

建武2年(1335)に描かれた絵をもとに復元されたという妙香池は、
よく手入れが行き届いていて、シンプルながら非常に美しい池です。


妙香池を過ぎて、左に折れた突き当りに舎利殿があります。
鎌倉で唯一国宝に指定されている建築で、15世紀前半の建築です。

もとは鎌倉尼五山第一位の大平寺の仏殿を移築したものだそうです。
遠目で見ると頭でっかち?な日本では貴重な様式のものです。

通常は遠くからしか見ることができませんが、特別拝観時は近くで外観を見学可。
内部は入ることができないので、横浜にある神奈川県歴史博物館に復元模型が設置してあります。

境内最奥にあるのは塔頭・黄梅院。
円覚寺の多くの塔頭は拝観不可ですが、こちらは常時拝観することができます。

北条時宗の妻であった覚山尼が、時宗の菩提を弔うために建立したことが起こりとされていますが、その後は足利氏が夢想疎石の塔所としました。
聖観世音菩薩が安置されています。

境内には多くの木々が植えられているので、春や夏に訪れると美しいかもしれません。

山門近くまで戻って、薄暗い階段を登った先に国宝の洪鐘があります。
洪鐘は1301年に北条貞時が蒙古襲来を受けて、国家安泰を祈願し寄進したもの。

建長寺、常楽寺とともに鎌倉三名鐘にも指定されているそうです。

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最後に、円覚寺の紅葉。
禅寺というと針葉樹のイメージでしたが、このお寺はカエデが多く植えられているため、秋は色鮮やかです。休日は混雑するので平日の参拝がおススメです。

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