鎌倉文学館~西洋館とバラ咲く庭園~

鎌倉の散策には、寺社以外にも魅力的な場所がいくつもあります
由比ヶ浜駅から徒歩10分ほどにある鎌倉文学館もそのひとつです。

海の見える洋館、鎌倉文学館

鎌倉文学館正面

鎌倉文学館は鎌倉エリアでも内部見学のできる数少ない洋館建築です。

敷地は1890(明治23)年に旧前田侯爵家の別邸として売却されました。
建物は幾度も改築され、現在のものが建てられたのは1936(昭和11)年のこと。

戦後はデンマーク公使や佐藤栄作元首相の別荘として借用されていましたが、1981(昭和58)年に鎌倉市に寄贈。
2年後の1983年から鎌倉文学館として開館しています。

鎌倉文学館へと誘う招鶴洞

由比ヶ浜に程近い谷戸の斜面に建つ鎌倉文学館は、まるで絵に描いたような立地条件です。
木漏れ日が涼しい石畳の坂道を登っていくと、まず現れるのが「招鶴洞」と名付けられた隧道。

『桃花源記』に載る桃源郷や『千と千尋の神隠し』を彷彿とさせる別世界への入り口としての隧道はその先の世界を期待させてくれます。

そういえば、京都にある大山崎山荘美術館にも隧道がありました。

鎌倉文学館外観

隧道を抜けて見えてくるのが本館の建築です。

1階は鉄筋コンクリート製、2階と3階は木造建築になっています。
周囲に他の建築物がないため、館は高く大きく感じます。

一見、洋館に見えますが、屋根は切妻造りに青色の瓦。
内部も外部も和洋が合わさった様式になっています。

鎌倉文学館建築

残念ながら内部の撮影は不可。
常設展では鎌倉にゆかりのある作品と作家の原稿などが展示されています。
地下の企画展では約3か月ごとにひとつのテーマや作家に焦点を当てた特別展が行われています。

館内から眺める外の景色が素晴らしく、斜面に広がる庭と、その先には相模湾。
以前寝室であった談話室からはのんびりと景色を眺めることができます。

バラの咲く庭園

鎌倉文学館正面

本館の目の前は庭園となっています。

美しく刈り込まれた生け垣と館を眺めながらスケッチをしている方もいます。
のどかな雰囲気の中、お弁当を食べることもできますが、トンビの格好の餌食となりますので注意したいところです。

庭園の一番低い位置はバラ園となっていて、春と秋には186種221株のバラが咲き誇ります。
バラと館を合わせた写真も撮ってみたいものです。

鎌倉文学館の場所