鎌倉 寿福寺~北条政子の眠る寺院~

臨済宗建長寺派の寺院である寿福寺。
鎌倉五山第三位のお寺です。

源氏山を背にした境内は源頼朝の父である義朝の居館跡にあたります。
頼朝の死後、妻の政子が夫の菩提を弔うために発願。
開山には、宋からお茶を持ち帰り普及させたことで有名な栄西禅師を招いています。

寿福寺の見どころは、石畳の立派な参道。
このお寺を目当てに訪れなくとも、目の前を通れば、その美しさに心奪われてしまいます。
鎌倉五山の風格を残す、鎌倉でも随一の風景。

左右を並木が覆って、視線は遠くの中門へと注がれます。
木々で陰った場所には美しい苔が生えています。

見学できるのは、突き当りの中門まで。
しかし、境内の背後の山間部には墓地が広がっており、源実朝と北条政子の墓と言われている五輪塔も存在します。
坂道になっていますが、天気の良い日は散策してみるのもおすすめです。

鎌倉観光に主要な街道からは外れているため、清閑な空気が流れているようにも感じます。
参道の風景は四季ごとに雰囲気を変えるので、いつ訪れても楽しめます。

横須賀線の線路も走る住宅街を目の前にしているにもかかわらず、門を潜れば山寺のような雰囲気。

参道の石畳は立派で、雨上がりは特に美しいです。


参道の木々の根元は絶好の苔スポット。
中門に向かって左手の並木下には特に苔が群生しています。

木漏れ日が射し込んで、幻想的な光景が広がっています。

参道の突き当りにある中門から先は拝観することができません。

本堂手前の両側に植えられたビャクシンは鎌倉の天然記念物に指定されているそうです。

中門を左手に折れて奥へと進むと、源実朝と北条政子の墓とされるやぐら群へと行くことができます。

断崖を掘りこんだ近道がありましたが、現在は崩落の危険性があることからも通り抜けは出来ず、普通の墓地を歩いて行くのでわかりづらいかもしれません。
階段を登りつめて、左手奥の崖にやぐらはあります。

たくさんの横穴が開いていますが、実朝と政子の墓はそれぞれ入り口に立札があります。
穴のかたちも他のやぐらと比べると綺麗なように見えます。
しかし、本当に北条政子の墓かどうかは定かではないそうです。