秩父札所二十六番 圓融寺~懸造りの岩井堂がある寺院~

圓融寺岩井堂

圓融寺(岩井堂)とは

圓融寺岩井堂

萬松山圓融寺は秩父市影森にある臨済宗の寺院です。

秩父三十四観音霊場の二十六番札所としても知られ、本尊は聖観世音菩薩。秩父鉄道影森駅からもほど近い本堂のほか、少し離れた山中に奥の院岩井堂があります。本堂などの境内はいわゆる普通のお寺ですが、岩井堂は風変わりな建築ですので、併せて参拝することをおススメします。

圓融寺はこんな寺院
  1. 秩父三十四観音霊場の二十六番札所
  2. 懸造りのお堂「岩井堂」がみどころ
  3. 本堂には鳥山石燕『景清牢破りの図』がある

武甲山をはじめとする秩父の山々が迫る影森の町にある圓融寺は、秩父鉄道影森駅から徒歩7分程度の場所に位置します。背後に山の迫る境内は横長になっていて、本堂のほか、ささやかな庭園もあります。江戸時代中期頃に建てられた本堂は、2021年現在では大規模な改修工事中です。

奥の院 岩井堂

奥の院の岩井堂は圓融寺境内から徒歩30分程度の山中にあります。

岩井堂は観音堂ともいい、恵心僧都作と伝わる聖観音像を安置する秩父霊場二十六番札所でした。江戸時代に圓融寺の管理下に入って奥の院となり、本尊も現在は圓融寺本堂で安置されています。

18世紀中頃に建てられた懸造りの建築です。急峻な斜面から突き出すように建てられており、京都の清水寺舞台を思わせます。三間四面の方形造りの周囲には回廊が巡っており、参拝者は脇にある階段を登って参拝が可能。建物の裏には岩窟があって、石塔や石仏が鎮座しています。

訪れる際には昭和電工の工場敷地内を通る必要がありますが、入口で守衛さんに参詣の旨を伝えれば通してもらえます。岩井堂までの道は急峻な石段が300段以上続きますが、秩父札所のなかでも有数の秘境感のある場所なので、一度は訪れたい場所です。

圓融寺の歴史

圓融寺本堂

圓融寺の創建は15世紀から16世紀頃と伝えられています。

江戸時代に秩父札所二十六番札所である岩井堂(観音堂)の別当寺となりました。岩井堂は圓融寺が管理するところとなり、圓融寺奥の院という扱いになっています。以前は岩井堂にあった聖観音像をはじめとする仏像も圓融寺本堂にて安置されており、札所巡りの納経や朱印授与も圓融寺で実施しています。

文化財としては、江戸時代に絵師として活躍した鳥山石燕が奉納した『景清牢破り』の額が残っています。歌舞伎の名場面を描いた桧絵で、江戸の護国寺で秩父札所の総出開帳を行った際に奉納されたもの。現在は埼玉県指定文化財です。

圓融寺岩井堂の画像

圓融寺岩井堂
山中にある懸造りの岩井堂 (2014)
圓融寺岩井堂の画像
岩井堂に登る階段 (2014)
圓融寺岩井堂
千社札が多く貼られた岩井堂の建築 (2014)
岩井堂からの眺め
岩井堂からの眺め 眺望が良いわけではない (2014)
岩井堂への参道
昭和電工工場から岩井堂へ続く参道 (2014)
圓融寺本堂
改修前の圓融寺本堂 (2014)

圓融寺岩井堂の情報

宗派 :臨済宗建長寺派

住所 :埼玉県秩父市下影森348

最寄駅:秩父鉄道影森駅から徒歩7分
訪問日:2014年11月19日