秩父札所二十七番 大淵寺~延命水と護国観音のある寺院~

大淵寺の入口

大淵寺とは?

秋の大淵寺

竜河山大淵寺は秩父市影森にある曹洞宗寺院です。

秩父三十四観音霊場の二十七番札所として知られ、本尊は聖観音菩薩です。秩父鉄道影森駅からも近く、圓融寺と同じく比較的訪れやすい札所。境内には紅葉や桜が植えられ、延命水と呼ばれる湧き水もあり見どころの多い寺院です。

大淵寺はこんな寺院
  1. 秩父三十四観音霊場の二十七番札所
  2. 境内背後の山に15mの護国観音がある
  3. カタクリやツツジが群生する花の寺

背後に山が迫っている大淵寺の境内は平地に本堂や納経所、少し小高い場所に本尊を安置する月影堂(観音堂)があります。その先にもつづら折りの山道が伸びており、山頂付近の見晴らしのいい場所に巨大な護国観音像が立っています。

月影堂から護国観音に至る道のりは高低差のある山道なので、歩きやすい服装でないと厳しいかもしれません。山道の途中にはカタクリやツツジの群生地があるのでシーズンには花を楽しむことができるでしょう。

琴平ハイキングコース

護国観音から先は琴平ハイキングコース経由で二十六番札所の圓融寺奥の院岩井堂へ抜けることが可能。影森で札所巡りをする場合は、二十六番圓融寺~岩井堂~大淵寺をセットで参拝することをおススメします。

護国観音像

秩父の護国観音像

護国観音は大淵寺の背後に立つ巨大なコンクリート製の観音像です。

境内を見下ろす山の頂上付近に立っており、境内の山門前からもその姿を拝むことができます。高さ15mの観音像は1935年(昭和10年)に建てられたものです。戦前には巨大仏の造立ブームがあり、護国観音もその御多分に漏れません。

日本仏教では観音菩薩は女性的に表現されることが多く、シャープでなめらかな体格と凛としたお顔が基本。護国観音は肉感的で力強い体格と、宝剣を持った左手が印象的です。これは戦前の世相が護国観音の造形に反映された結果だと考えられています。

大淵寺の歴史

大淵寺の詳細な創建時期は不明です。伝わるところによれば、宝明という僧が諸国行脚の末に当地に草庵を結んで暮らしていた。後に立ち寄った弘法大師が、足を患う宝明へ自ら彫った観音像を宝明に与え、これを本尊として創建したのが大淵寺とのこと。

本尊を安置する月影堂(観音堂)は、山の上に建てられていましたが、1919年に蒸気機関車の排煙により焼失してしまいます。その後、1923年に山麓に本堂を再建。1996年には月影堂が本堂裏の小高い場所に再建され、本尊を安置しています。

大淵寺の画像

秋の大淵寺
大淵寺の入口 (2014)
大淵寺延命水
境内入口付近にある観音山延命水 (2014)
大淵寺月影堂
境内奥にある月影堂 (2014)
秩父の護国観音像
背後の山にある護国観音像 (2014)
秩父の護国観音像
護国観音は宝剣を持つ勇ましい姿 (2014)
護国観音からの眺め
護国観音からの眺め (2014)
秩父ハープ橋
護国観音からの眺め (2014)

大淵寺の情報

宗派 :曹洞宗

住所 :埼玉県秩父市上影森411
最寄駅:秩父鉄道影森駅から徒歩8分
訪問日:2014年11月19日